徳本峠（とくごうとうげ・2135m）は、私が山を始めた頃から行きたかった　あこがれの地　でした。

2000年7月に、富士山１〜５合目　と　甲斐駒の黒戸尾根　を、２週続けて登りました。（この山日記にも記録が残っています。富士山の記録は翌2001年）
この２つの山行はお天気にも恵まれ、新しい発見の連続で、その後の私の山人生を変えるくらい強烈な印象を与えてくれました。 両方とも歴史のある山で　「昔はみんなこの道を登ったけど、新しい道路ができてから使われなくなったコース」　という点で共通しています。 私はこんな　「へそまがりコース」　が大好きで、残るは　徳本峠！　（富士山・甲斐駒に比べればたった120年と歴史は浅いですが） 　その頃の山仲間と　「徳本峠も行こうよ！」　と、話だけ盛り上がって、それっきりになってしまいました。

今年（2014年）になってリーダーＳさんから偶然徳本峠の話が出て、私が　「行きたいです」　と手を上げたら、いい具合に話が進んで、 自分の１４年来の夢が実現することになりました。　山行の日程やメンバーがどんどん決まっていく間は、まるで王子さまが現れて、 夢の国へ連れていってもらうような気分でした。（最終的には１１人という大パーティになりました）

当日は２日間とも、これ以上ないくらいの快晴。　これだけのお天気の中で山を歩けるなんて、一生に何回もないでしょう。 ロングコースの登りは、大変だぞ〜　と覚悟していたほどではなく、意外とあっけなく峠に着いてしまいました。 峠からは、深田久弥が日本百名山で　「日本山岳景観の最高のもの」　と書いている穂高連峰の雄姿を、思う存分見ることができました。 そして夜は満天の星空。夜明け前には、冬の星座のオリオン座などもきれいに見えました。 こんな物好きの夢をかなえてくれたリーダーと山仲間に　感謝！です。

コース：　新島々石川旅館に前泊　（車）〜砂防ダム〜二俣〜岩魚留小屋〜徳本峠小屋（泊）〜上高地

（2014年10月19日）