私は山に登るのも好きですが、山を「見る」のも好きです。山の頂上から眺めるだけでなく、日常生活の中で、電車の窓から、駅のホームから、 ビルの高層階から、意外な場所で名山を見つけると「やった！」と嬉しくなります。

都内の絶景ポイントの1つが、東急の二子玉川駅。 ここは、ホームの先端が多摩川の河原の上に突き出しているため、 遮るものがなく、西側に素晴らしい展望が広がっています。 富士山だけでなく、左から 箱根・丹沢・道志・奥多摩････雲取山・武甲山まで見えます。 混雑時にホームに長時間立っていると蹴飛ばされそうですが、屋根の上に展望台を作ったら、 絶好の撮影ポイントになるのになぁ〜　と思います。

個人的に好きなのは、JR高崎線の行田付近から、一瞬見える富士山。 奥多摩の大岳山と御前山の間に見えるのが特徴です。 最初は「こんなところから富士山？」と不思議でしたが、地図で見ると、 富士山から行田までの直線距離は、都心とほぼ同じ100km強。意外と近いのです。

一瞬の富士山といえば、JR中央線の初狩−笹子間、初狩駅を出てすぐ左（南）側に富士山を見ることができます。 時間にしてわずか2-3秒。中央線では一番近距離から見える富士山で、土地の人はこれを「一目富士」と 呼んでいるそうです（山村正光「車窓の山旅」より）

東京からは富士山だけでなく、南アルプスも見ることができます。 JR横須賀線の武蔵小杉−新川崎間では、一瞬ですが、白峰三山（北岳・間ノ岳・農鳥岳）が見えます。 中央線の笹子トンネルを出た時と同じ、あの白い山脈です。横須賀線で通勤している人は、 あの景色を1シーズンに何回か見ることができるのでしょうね。うらやましいです。